宮城県警、東日本大震災犠牲者の身元特定 地道な捜査8年半続ける

宮城県警は26日、東日本大震災直後の2011年5月15日に同県石巻市門脇町で発見された遺体の身元が、近くに住む近藤あさのさん(当時65歳)と判明したと発表した。約8年半にわたる「地道な捜査の積み重ね」によって、身元を「入れ歯」と「骨の特徴」から特定した。
県警捜査1課によると、遺体は近藤さんの自宅から約100メートル北のがれきの中から自衛隊員が発見。しかし、津波により発生した火災で遺体は炭化し、そのまま身元不明遺体として市に引き渡された。近藤さんは1人暮らしで親戚もいなかったため、行方不明届も出されなかった。
その後は検視官らによる「地道な捜査の積み重ね」(捜査関係者)が約8年半に及んだ。遺体から見つかった入れ歯を作った歯科技工士を特定。この技工士が、近藤さんが生前通っていた歯科医の発注する義歯を製作していたことが分かった。また、近藤さんは生前つえをついて歩いていたが、遺体の胸椎(きょうつい)の形が「下半身に病気のあった人に特有の形状」であったことから、同様の病歴のあった近藤さんと判明した。
遺骨は29日、「はとこの妻」に当たる女性に同市内で引き渡される。県警は身元不明遺体をなお8体保管しており、引き続き身元判明につながる情報提供を呼びかけている。【滝沢一誠】