釜石市の芳名板、50音順から家族一緒に 遺族の要望で

岩手県釜石市は26日、東日本大震災犠牲者の慰霊碑に掲げられた芳名板について、現在の50音順から、希望する家族同士が隣り合う配置に変更すると明らかにした。震災9年の追悼式がある来年3月11日までの完成を目指す。
慰霊碑は、同市の鵜住居地区防災センター跡地に整備された「釜石祈りのパーク」内に今春完成した。160人以上が亡くなった同センターを含め、市内では1064人が犠牲になった。このうち、芳名板には遺族が同意した999人の名前が50音順に並んでいる。
除幕後、「家族を一緒にしてほしい」「同姓同名の犠牲者21人が隣り合って掲示され、誤解される」などの指摘が上がった。市議会震災復興特別委員会で野田武則市長は「一部の遺族らから要望があった」と変更理由を説明。全員が並べ替えに賛成した。
市が8~9月に意向を調査したところ、2家族(5人分)以外はおおむね並べ替えに賛成だった。50音順に家族ごとに横並びに配置し、同姓同名の人がいる場合は地域名を追加する。12月市議会に約150万円を計上し、来年1月から工事を実施する。
鵜住居小の事務職員で保護者からの連絡を待っていたとみられる妻タカ子さん(当時53歳)と、自宅にいたとみられる母光子さん(同81歳)を失った木村正明さん(63)=同市栗林町=は「上段に妻の、別の列の下段に母の名前があり、バラバラになっていることに違和感があった。自然な形で手を合わせることができる」と来春の完成を心待ちにした。【中尾卓英】