JRでは277万人が影響、関東の停電93万戸 台風15号

強い台風15号は9日未明から午前にかけて関東地方を縦断し、各地に大きな被害をもたらした。関東に上陸した台風としては最強クラスで、千葉市中央区で最大瞬間風速57.5メートル、横浜市中区で41.8メートルを観測。在来線が運転を見合わせたり、大規模な停電が発生したりするなど終日、影響が残った。成田空港(千葉県成田市)では同日午後10時半時点で1万4100人が空港内に足止めされた。
強風などによる事故も相次ぎ、東京都世田谷区では風にあおられてビルの外壁に頭部をぶつけた50代女性が死亡。千葉市美浜区では低酸素症で酸素吸入器を常用する60代女性が停電で機器が使えず重症となるなど、1都6県で少なくとも62人が重軽傷を負った。
鉄道ダイヤは、各線で大きく乱れた。JR東日本によると影響を受けたのは約277万7000人。山手線では18万5000人に影響があった。東海道新幹線も上下20本が運休し、120本に遅れが発生。京浜東北線でも約24万人に影響が出た。成田空港と各地を結ぶ鉄道やバスも運休が相次ぎ、時間の経過とともに海外からの観光客や帰国者らが空港内にあふれた。
関東地方の停電は最大約93万5000戸に上り、千葉県君津市では鉄塔が2基倒れ、9日午後9時45分時点で同県内の約59万戸の電気が復旧していない。
台風15号は9日午後9時時点で、三陸沖を時速30キロで東北東に進んだ。11日には温帯低気圧に変わる見通し。台風が通過して南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、9日の日本列島は気温が上昇。三重県桑名市で最高気温37.9度を記録した他、岐阜県多治見市で37.6度、東京都練馬区で37.0度を観測するなどした。【まとめ・川村咲平】