九州7県の廃校、少なくとも403校 3割超が未活用だと判明

九州7県で廃校になった小中学校の施設がどう活用されているか把握して課題を探ろうと、宮崎大地域資源創成学部の廃校活用研究会(代表・根岸裕孝教授)が「廃校活用に関するアンケート調査」を実施した。その結果、廃校になった小中学校が少なくとも65市町村に計403校あり、3割超の施設が活用されていないことが判明。根岸教授は「地域にとって重要な課題だ」と指摘している。【斎藤毅】
対象は2002年度以降に廃校になった市町村立の小中学校。8月10日~9月13日に7県の全233市町村教委にアンケートを送り、51%の119市町村から回答を得た。
廃校403校の県別内訳は、長崎92校▽鹿児島78校▽大分67校――など。
市町村別の廃校数は15校以上が6市あり最多は29校だった。この6市だけで廃校数は全体の32・8%の132校に上った。6市の多くは「平成の大合併」を経ており根岸教授は「広域市町村合併の影響が大きい」と分析している。
廃校403校のうち施設の現況を確認できたのは356校で、内訳は、活用中197校(55・3%)▽未活用115校(32・3%)▽施設現存せず44校(12・4%)。未活用率が高いのは佐賀県で40%、低いのは宮崎県で18・8%だった。
複数回答可で活用の用途や活用できていない理由などを尋ねたところ、用途は、行政施設34件▽公民館31件▽学校29件▽スポーツ施設25件▽倉庫などその他が76件――など。運営主体は行政直営108件▽民間企業47件▽住民主体の団体39件――などだった。

未活用の理由で最も多かったのは「活用団体が見当たらない」で、次いで「施設の老朽化」「改修予算が確保できない」の順。活用するため苦労したのは「住民と運営主体の意見調整」「運営主体の募集」「改修費用の負担を巡る運営主体との協議」などが多かった。
課題として市町村から挙がったのは「施設維持の費用確保」「運営団体の運営能力向上」「廃校施設の利用者・集客確保」など。活用支援策として企業・NPOとのマッチング事業や資金支援・補助金制度、専門情報提供を望む声が多かった。
根岸教授は「人口が減って地域社会の持続性が問われる中、廃校活用で地域雇用を創出して域外から『外貨』を稼ぐことが求められる。これまで行政・教育施設中心の活用だったが、今後は運営団体の確保や経営ノウハウ提供などが課題になる」と話す。