18年刑法犯は認知件数、検挙者数とも戦後最少 19年版犯罪白書

法務省は29日、2019年版犯罪白書を公表した。18年の刑法犯の認知件数は81万7338件(前年比10・7%減)、検挙者数は20万6094人(同4・1%減)で、いずれも戦後最少を更新。一方、検挙者に占める再犯者の割合を示す再犯者率は48・8%(同0・1ポイント増)に上り、最悪の水準となった。
令和初となる白書は、平成の30年間の犯罪動向や刑事政策を振り返る構成。平成を「犯罪多発社会と犯罪減少社会とが順次訪れた」などと総括している。
刑法犯認知件数は平成の前半に上昇傾向となり、02年に戦後最多の285万件に達した。後半は減少が続き、18年はピーク時の3分の1を下回った。検挙者数も後半は減少に転じているが、少子高齢化などを背景に近年は高齢者が増え、18年は65歳以上が21・7%、20歳未満が11・6%。
再犯者数は06年の約15万人をピークに減少し、18年は10万601人だった。ただ、初犯者に比べて減少幅が小さいため再犯者率は上昇傾向となり、08年以降、40%台が続く。事件時に14~19歳の検挙者のうち、前にも犯罪を起こしたり補導されたりしたことのある少年の割合を示す再非行少年率は18年は35・5%で、平成で最も高かった16年の37・1%と同水準となった。
法務省は16年に施行された再犯防止推進法に基づき、18年から再犯防止推進白書を作成している。19年版は、薬物やアルコール、ギャンブルの依存症対策を特集。覚せい剤取締法違反の検挙者が年間1万人を超え、大麻取締法違反は5年連続で増加し18年は3762人と最多を更新するなど、「薬物事犯への対応は大きな課題」と指摘した。
覚せい剤取締法違反者は再犯傾向が強く、同一罪名による再犯者率は18年、66・6%に上った。また、同法違反で受刑し17年に出所した人の2年以内の再入所率は17・3%で、全体に比べて0・4ポイント高かった。【村上尊一】