NHK同時配信、当初案より時間縮小へ

NHKのテレビ番組のインターネット常時同時配信などに対して総務省が再検討を求めたことを受け、NHKが配信時間を当初案より短縮する方向で調整していることが30日、判明した。業務肥大化を懸念する同省からネット関連費用の抑制などを求められたため。NHKは深夜や早朝の時間帯は配信しない方向で検討しており、国際向けのサイトなどネット業務全体も見直して関連費用を大幅に削減する方針だ。
NHKは来年3月までに、総合テレビとEテレの全番組の常時同時配信開始を目指している。NHKが今年10月に総務相に認可申請したネット実施基準案では、今年度中は1日17時間程度で配信をスタートし、来年度以降は24時間の「常時」配信を目指す考えだった。
こうした案に対し、高市早苗総務相は11月8日、ネット関連費用が受信料収入の3・8%に増えることを指摘し、再検討を求めた。NHKは来年の東京五輪関連以外のネット業務費用を従来通りの「受信料収入の2・5%以内」に収める方向で検討している。NHK関係者は「常時同時配信は当初案より配信時間を短くして開始する方向だが、段階的に24時間化を目指す方針は変わらない」と話した。【屋代尚則、小林祥晃】