アニメ史に残る作品を生み出し続けてきたスタジオジブリの約30年間の歩みを体感できる特別企画「ジブリの大博覧会」が30日、盛岡市の岩手県立美術館で始まった。「風の谷のナウシカ」から「思い出のマーニー」までのポスターや製作資料など、約3000点が展示されている。大勢の家族連れが訪れ、お気に入りの作品について語り合っていた。
巡回展で、これまでに国内外11都市で開かれた。東北では唯一の開催となる。見どころの一つは、風の谷のナウシカに登場する巨大な生物「王蟲(オーム)」や独特な植物の模型が並ぶコーナー。今にも動き出しそうな精密な作りで、異世界に入り込んだ気分を味わえる。「もののけ姫」のキャッチコピー「生きろ。」が完成するまでのやりとりを記したファクスも展示され、制作者の苦悩もうかがえる。
「となりのトトロ」に登場したネコバスには実際に座ることができ、多くの人が乗り心地を楽しんでいた。西和賀町川尻の高橋志波ちゃん(4)は「ふわふわして気持ちよかった。トトロも『猫の恩返し』も好き。ジブリ全部好き」と目を輝かせていた。開催は来年2月16日まで。【藤井朋子】