YouTuberとして人気急上昇中の「ねこあや」(25歳)さんを知っていますか? キュートな見た目とは裏腹に、言いたいことをズバズバ言う語り口がウケてチャンネル登録者は42万人。
11月には、『中3で親に捨てられて黒ギャルになりクソ金持ちの婚約者に死なれて鬱になったワイがYouTuberになって年収8000万の今だ』という衝撃的なタイトルのフォトエッセイを上梓しました。単なるギャルの自伝ではなく、メッセージがたくさん詰まっている同書。さっそくご本人に、インタビューしました。
◆1歳で実母が病死して、日本へ
<ねこあやさんは1994年、スペイン生まれ。母はスペイン人で、父は誰だか不明だけど中国と日本のハーフらしい。ところが1歳3カ月の時に母が病死。そのため、日本人と結婚して日本に住んでいた、母の姉・ジェニーに引き取られました>
――本では、極貧の家庭環境、黒ギャル時代の荒稼ぎ、婚約者の死など、赤裸々な25年が書かれています。中には、母(ジェニー)や兄による虐待など、衝撃的な内容も。こうした過去を公表することでマイナスになるとは考えませんでしたか?
「プラス8でマイナス2かな。この比率、大事で。私はYoutubeでバーン出て、この顔で『今日は化粧品紹介しますー』って言っても普通なんですよ。この見てくれで、タバコバカスカ吸いながらギャンブルや下ネタの話しかしない」
――笑。
「ね、その時点で笑っちゃってるじゃないですか。この意外性が気持ち悪いって去っていく人もいるけど、受け入れられた瞬間、タダのファンよりも強いファンになるんです。
よく、『根はいい奴なんですよ』って言うけど、上に咲いてる花がクソだったら、誰も土の中の根っこなんか見ません。私の場合は、今咲いてる花が綺麗に見えてるから、虫や蝶が寄ってきてくれる。みんな蜜を吸いたいから。
でもそこで『実は、クソにタネ植えて花咲かせてるんですよ』っていう、クソの部分を見せようと思って。(ファンのうち)2割削って、20割呼び込むっていう戦略ですね」
◆15歳で親に捨てられたらパラダイスだった
<幼少期、母の月収7万円で団地暮らしだった彼女。小1からすべての家事をやらされ、革ベルトで叩かれる、リストカットを命じられる、兄に金属バットで顔面フルスイングされる、など壮絶な虐待を受けます。同書ではそれがギャル言葉で笑い話みたいに書かれているのですが…>
――虐待のあげく、15歳のときに、親が突然出ていってしまうわけですよね。でも、ねこあやさんはポジティブで明るくて、恨みや“被害者意識”のようなものが全然感じられない。なぜですか?
「10代半ばまでは恨みを持ってたし、悲壮感漂う子どもだったと思います。
これは本を作りながら気付いたんだけど、私って、心を殺して生きてきて、15歳で親に捨てられてから初めて人格や自主性が構築されていったんです。15歳で初めて人間として生まれたんです。
親がいなくなった瞬間からクソパラダイスだったから。傍から見たら親いなくなって可哀想、お金なくて可哀想って感じだったけど、ハッピーハッピー、天国でしかなくて。だからハッピーな人間になれたんだと思う」
――そう割り切れるのってすごいです。
「でもね、たまにフラッシュバックじゃないけど、友人にもそういう経験した子っているんですけど、口を揃えて言うのが、訳もなく感情が乱れちゃったり、突然涙が出たりとか。ほんとに突然来るんですよ、苦しんじゃうことが。これってたぶん、私が金持ちになろうが、幸せになろうが、死ぬまで一生変わらない。
でもこれしょうがないのよ、ピーパー言ったって。これが私の半分だから。発作起こしそうになったら眠剤飲んで寝ようねっていう」
◆稼いで稼いで、困ってる子供たちに回したい
<親に捨てられたあと、ねこあやさんはギャル雑誌のモデルや、今でいう“ギャラ飲み”(飲みの場に呼ばれてお金をもらう)で荒稼ぎするようになります。政治家から石油王の接待まで呼ばれ、「オヤジは金づる」と学んだそう>
――この時期に、ビジネス感覚や礼儀作法を身に着けたそうですね。
「周りの人たちに育ててもらったっていうのがすごくでかい。『この人、すごいな』と思う人に会ったら、じゃあここを盗めばこうなれるのかも、とか。『こいつ、クソだな』って相手は、同じことしないようにしよう、とか。教師と反面教師、人類みな教師ですわ」
――その後、20代で超金持ちの実業家と婚約したのに彼が事故死してしまったり、うつになってひきこもったり、ホントに波乱万丈ですね。2015年にYoutubeを始めて、2019年はレギンスのプロデュースなども含め年収8000万円に届きそうだとか。
「Youtubeはカネのためだけにやってる。最初からそう宣言してます。YouTuberの事務所に入るやつはバカで、私は全部自分でやってます。
でも結局、プレイヤーは末端なので、一生やり続けるのは無理無理。35歳ぐらいまでに、会社つくって、あと子供を産みたいです。
将来は、児童福祉施設をつくりたいんですよね。富裕層向けの託児サービスとかでパーンと稼いで、それを困ってる人に回したい。シングルマザーの子や、孤児や、虐待されてる子やなんかんやを助けたいんです。詳細はまだ言えないけど」
――お母さん(ジェニー)とも再会して、家を買ってあげるとか。よく許せましたね。
「違うんですよ、家を買ってやるのは私が実権を握るため。
ただ、ジェニーが私を日本に呼んでくれたのは事実だしね。もし引き取られてなければ、私いまごろ、外国で娼婦やってますよ。ウチの親戚、娼婦かヤク中ばっかだもん」
◆ワイの幸せの責任はワイが取る
――本を読んで思ったのは、いまのねこあやさんがあるのは、お友達の影響がすごく大きかったんだなと感じます。印象的だったのは、中学の時に自宅に住まわせてくれた女友達、「ああちゃん」の話です。
母親にコーヒーやキムチをぶっかけられたまま学校に行ったとき、「ああちゃんが私べちょべちょで汚いのにバーって抱きしめてくれて『わかった! もういいよ、泣くな! お前は今日家に帰ったら、荷物をまとめてうちに来い』と。そう言ってくれたのね。『本当にいいの?』『大丈夫、いまから帰るぞ』って」(同書より)。
他にもギャルのお友達に救われた話がたくさん。友だちづきあいの指針ってありますか?
「私が惚れた女たちなんで、基本、あの子達に何されても許しちゃうと思う。例えばじゃあ1億盗まれましたっていっても許せちゃうし、臓器必要ならあげちゃうと思うし。少ないですけどね、そう思える人は。
人を愛せなかったら生きてる意味がない。きれい事に聞こえるかもしれないけど、自分を愛するために、人を愛してる感じかな」
――私の周囲にも虐待経験を持つ人が何人かいて、いまだに人と信頼関係が築けないというんです。彼らが闇から抜け出すには、どうしたらいいのでしょう?
「あのね、もう大人でしょ! 自分の環境は自分で変えていくしかなくて。それが大人だもん。
子どもの時はしょうがないですよ、与えられた環境でしか生きられないから。でも、しょうがないのよ、昔のことピーパー言ったって。昔を変えられるような術があったら誰も苦しまんし、私だって苦しまんよ。
いまのあなたにできるのは、いまを変えるか未来を変えるか、それだけ!
私がそれに気づけたのは、周りの人のおかげでラッキーだったけど。気づけてない人は、この本でなにか気づいてくれたらと思ってます。……ってきれいなまとめ!(笑)ありがとうございます」
<取材・文/和久井香菜子、写真/『中3で親に捨てられて黒ギャルになりクソ金持ちの婚約者に死なれて鬱になったワイがYouTuberになって年収8000万の今だ』より インタビュー撮影/山田耕司 ヘアメイク/福寿瑠美(PEACE MONKEY)>