女性看護師座談会 嫌われる患者の条件は「3K」

最良の環境で治療を受けるためには、「良い医者かどうかの判断」はもちろんだが、それに加えて「理想的な患者の姿」も知る必要がある。医者と患者、それぞれを一番知っているのは、双方を近くで見ている看護師。現役女性看護師4人が、本音トークで明かした。
Aさん(32)都内総合病院整形外科勤務Bさん(39)都内大学病院泌尿器科勤務Cさん(40)千葉県総合病院消化器内科勤務Dさん(28)埼玉県総合病院健診センター勤務
A:病院で嫌われる患者の条件といえば、「3K」。性格がキツい、汚い、臭い。
B:そこは共通ですね。私は泌尿器科にいるのですが、汚い下着で来院する患者さんはちょっと……。せめて、下着は清潔なものを身につけてほしい。
A:患者が不快になるということで、最近は匂いに関して病院側もかなりうるさくて。うちは医者や看護師に、制汗剤やハンドクリームは無香料のものを使用するよう指導される。だから匂いには医者も看護師もすごく敏感になっているんですけど、そんな環境で一番気になるのって、実は患者さんの「入れ歯」の匂いなんですよね。
C:それ、すごい分かる。ご高齢の方の場合、身なりを清潔にしていても、入れ歯の手入れが行き届いてないケースが多い。とくに洗浄剤は、ドラッグストアで売ってるものと、歯科で販売する専用品だと、全然違う。
B:ご自宅での家族との関係が見える部分でもありますよね。介護用おむつにしても、ちゃんとしているものはふわふわして清潔ですけど、激安のおむつをしている患者さんって、実は家計に余裕があるとかないとかよりも、介護するご家族のサポートが薄いんじゃないかって思えるケースが多い。見舞いに来た家族との会話がすごくぶっきらぼうだったりして、気の毒になることもあります。
A:不潔っていうのとは少し違うけど、小指の爪を伸ばしてる患者さんは困る。特に高齢者は耳かき代わりに伸ばしている人が多いけど、あれ、引っかかるんですよね。整形外科はリハビリで患者さんの体に触れることが多いけど、何度引っかかれて血が出たか。
D:知識披露系の患者さんも困りませんか? 健診の現場にいると、最近ネットでの口コミあたりから情報を仕入れてくる患者さんが多いんです。数値を気にして、しつこく説明を求めてくるんですけど、その知識がそもそも間違っていることも多くって。
C:薬にも、やたら細かく注文つける患者さんいますよね。もちろん全てを医者任せで飲むのはよくないけど、ある程度は私たちの話を聞いてほしい。以前、胃潰瘍の患者さんで、出された薬を全て拒否して、違う薬を指定した方がいたけど、あれは面倒だった……。
●司会・構成/大屋敷未世子(ジャーナリスト)、河合桃子(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2019年9月20・27日号