安倍首相(自民党総裁)は11日に行う内閣改造・自民党役員人事で、萩生田光一党幹事長代行(56)を文部科学相に起用する意向を固めた。高市早苗衆院議院運営委員長(58)は総務相に充てる方針だ。衛藤晟一首相補佐官(71)と河井克行党総裁外交特別補佐(56)、菅原一秀衆院議員(57)の初入閣も固まった。
萩生田氏は首相の出身派閥の細田派に所属し、首相側近の一人。党総裁特別補佐や官房副長官などを歴任し、初入閣となる。高市氏は2014年9月発足の第2次安倍改造内閣から約3年間、総務相を務めており、再登板となる。衛藤氏は12年12月の第2次安倍内閣発足時から首相補佐官を務めている。無派閥の河井氏と菅原氏は菅官房長官に近い。
首相は「安定と挑戦の強力な布陣」を目指し、続投する麻生副総理兼財務相と菅氏以外の閣僚は大幅に入れ替える見通しだ。
橋本聖子・前参院議員会長(54)は五輪相に起用する。加藤勝信党総務会長(63)と西村康稔官房副長官(56)は経済閣僚に据える方向で調整している。
党幹部では、留任する二階幹事長と岸田政調会長に加え、鈴木俊一五輪相(66)を総務会長に、下村博文党憲法改正推進本部長(65)を選挙対策委員長にそれぞれ起用することも固まり、党四役がそろった。甘利明選対委員長(70)は税調会長に充てる。
官房副長官には、西村明宏衆院議員(59)、岡田直樹党参院幹事長代行(57)を起用する意向を固めた。官僚トップとなる事務の杉田和博官房副長官(78)は留任する。
首相は11日午前に党役員を決定し、臨時閣議で閣僚の辞表をとりまとめる。同日午後に公明党の山口代表と会談した後、閣僚名簿が発表され、首相が記者会見で内閣改造の狙いなどを表明する。皇居での認証式を経て、第4次安倍再改造内閣が発足する。
入閣が固まった顔ぶれ 敬称略。()内は当選回数、選挙区
▼総務
高市 早苗 58
(衆〈8〉奈良2区)
▼外務
茂木 敏充 63
(衆〈9〉栃木5区)
▼文部科学
萩生田光一 56 初
(衆〈5〉東京24区)
▼農林水産
江藤 拓 59 初
(衆〈6〉宮崎2区)
▼国土交通
赤羽 一嘉 61 初
(衆〈8〉兵庫2区)
▼防衛
河野 太郎 56
(衆〈8〉神奈川15区)
▼五輪
橋本 聖子 54 初
(参〈5〉比例)
ポスト調整中
河井 克行 56 初
(衆〈7〉広島3区)
加藤 勝信 63
(衆〈6〉岡山5区)
菅原 一秀 57 初
(衆〈6〉東京9区)
西村 康稔 56 初
(衆〈6〉兵庫9区)
衛藤 晟一 71 初
(参〈3〉衆〈4〉比例)
■留任
副総理 財務・金融
麻生 太郎 78
官 房
菅 義偉 70
内定した自民四役(敬称略)
▼幹事長
二階 俊博 80
和歌山3区。運輸相、経済産業相、党総務会長。中大。当選12回。(二階派)
▼総務会長
鈴木 俊一 66
岩手2区。環境相、党総務会長代理、五輪相。早大。当選9回。(麻生派)
▼政調会長
岸田 文雄 62
広島1区。沖縄・北方相、党国対委員長、外相。早大。当選9回。(岸田派)
▼選対委員長
下村 博文 65
東京11区。文部科学相、党憲法改正推進本部長。早大。当選8回。(細田派)