「1円」支払いで和解 賃金支払い求める訴訟、外国人フルート奏者と楽団側

群馬交響楽団(群響)のフルート奏者、パベル・フォルティンさん(62)が6日、高崎市内で記者会見し、家族手当の不支給分の支払いを群響に求める民事訴訟を前橋地裁高崎支部に提起し、「1円」の支払いを受けることで和解したことを明らかにした。和解は10月30日付。法曹関係者によると、1円の損害賠償を請求する訴訟は時折あるが、1円での和解成立は珍しいという。
訴状などによると、群響は2006年4月に家族手当の支給基準を変更。これによりパベルさんは家族手当を3年間減額された後に不支給となった。しかし17年4月に基準変更後も支給を受けられたことを知り、不支給分の支払いを求めたが、群響は直近2年分だけ支給。パベルさんは、群響職員が支給漏れを防ぐ注意義務を怠ったとして、不支給分約152万円の支払いを求めて提訴した。
群響は、基準変更は周知しており、給与明細を確認すれば気づいたはずで、さらに未払い賃金を請求できる期間は労働基準法上、過去2年と主張。その後、未払い分1円の支払いで和解した。
パベルさんは会見で、「1円でも、家族手当に未払いがあることが認められた」と評価。「日本語の専門用語を理解できない外国人は多い。外国人労働者が増えている中で、この問題をアピールできた」と話した。
群響担当者は「周知の方法に落ち度はなかったが、外国人の日本語理解度への配慮について考えさせられる点があり、和解に応じた」と話した。【増田勝彦】