【ストックホルム時事】今年のノーベル化学賞を受賞する吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)は7日午前(日本時間同日夕)、ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミーで公式記者会見に臨み、「私の受賞は産業界の若手研究者を勇気づけると信じている」と話した。
紺のネクタイにスーツ姿の吉野さんは、共同で受賞する米ニューヨーク州立大のスタンリー・ウィッティンガム卓越教授(77)や物理学賞、経済学賞の受賞予定者と並んで会見。「企業の研究者はノーベル賞を取るのは難しいと言われてきた」と語り、若手研究者らを鼓舞することに期待を寄せた。
開発したリチウムイオン電池はスマートフォンなどIT機器の普及に貢献している。地元メディアからは「開発当時にこれほど社会に影響を与えると想像できたか」といった質問も出た。
吉野さんは「当時はビデオカメラの電源が唯一の市場」と振り返り、スマホやノートパソコンの普及など「これほど大きな市場は想像できなかった」と答えた。
吉野さんは会見後、ストックホルムの日本人補習学校を訪れ、児童ら約160人を前に講演。小学生の時に英科学者ファラデーの著書「ロウソクの科学」を読んで科学に興味を持ったエピソードなどを紹介した。
児童らから研究は楽しいかと聞かれると、「基本的にしんどいがうまくいくと楽しい」と応じた。