フリーズドライしたナスの成分で副作用なく高血圧とストレスを改善 信州大学

焼いたり、煮たり、漬物にしたり…さまざまな料理に使われて美味しいナス。信州大学などのグループは、ナスの絞り汁を元にした粉末を続けて摂取した結果、副作用もなく、高血圧や心理的ストレスが改善されることをつきとめた。
和洋中、どんな料理にも合う万能選手のナスだが、その栄養価というと頭をひねる人も多いはず。しかし信州大学学術研究院の中村浩蔵准教授らのグループは2016年、ナスには「コリンエステル」という物質が、ピーマンやトマト、ニンジンに比べて1000倍以上多く含まれることを発見。この物質は神経伝達物質のひとつで、交感神経の活動を抑制する効果があることをラットの実験で確かめた。
今回、中村准教授らのグループは、血圧が高めの高血圧予備軍と、最高血圧140~159、最低血圧90~99)の「Ⅰ度高血圧」の患者の合わせて100人を対象に、ナスの絞り汁をフリーズドライ製法で粉末にし、カプセルにいれたものを服用してもらう臨床試験を実施。
被験者には、2.3㎎のコリンエステルを含むナスの粉末入りカプセルを、朝食後と就寝前にそれぞれ二粒ずつ、12週間飲んでもらった。その結果、実験開始から8週間で、参加者全員の血圧が下がった。また、12週目の時点で、高血圧予備軍の人が感じていた精神的なストレスが改善していたことも確認されたという。
血圧が高いと、動脈硬化が起こりやすく、心臓や血管への負担が高くなるため、治療には降圧剤が使われるが、それにはさまざまな副作用がある。研究グループは「ナスのフリーズドライ粉末には、危険な副作用はなく、少しずつ血圧を下げる効果を確認しました」と話していて、高血圧の新しい治療法に結びつく可能性に期待を寄せている。
なおこの研究成果は、栄養学に関する専門誌『Nutrients』に11月16日付で掲載された。