みずほFG元会長がNHK次期会長に “リベンジ選任”の仰天理由

また“アベ友”か。

来年1月に3年の任期が満了するNHKの上田良一会長(70)の後任として、みずほフィナンシャルグループ(FG)元会長の前田晃伸氏(74)が選出された。9日のNHK経営委員会(委員長=石原進JR九州相談役)で議決。上田会長は1期で退任する。これで前田氏まで5代連続で外部の財界からの登用だ。

■過去には国会招致で批判殺到

前田氏は大分県中津市出身。東大法卒後、富士銀行に入行。2002年にみずほHD社長、03年にみずほFG社長に就任した。02年の社長就任直後、3行統合時に大規模なシステム障害が発生。参考人として国会招致された際は、「実害が出たわけではない」などの発言が批判を浴びた。現在は非常勤の終身名誉顧問に就いている。

全国銀行協会会長や国家公安委員なども歴任し、「安倍政権との距離はわりと近い」と、自民党関係者がこう解説する。

「金融危機時に巨額の公的資金を受け、98年から自民党への献金を自粛してきた3メガバンクが、公的資金を完済して献金復活を検討したのは前田社長時代の06年で、第1次安倍政権の時です。当時は各行とも法人税を納めていなかったため、世論の批判を懸念した安倍首相は、献金の受け取り自粛を発表。第2次安倍政権の15年に3メガは献金を再開しましたが、その時に真っ先に再開を決め、業界を主導したのがみずほFGでした」

実は、NHKの人事に名前が挙がるのは初めてではない。08年の麻生政権で、政府は前田氏(当時は社長)をNHK経営委員の候補とする人事案を国会に提出。ねじれ国会で、当時の民主党など野党の同意が得られず就任できなかった。主な反対理由とされたのが「みずほがNHKのメインバンクで利害関係がある」ことだった。

「そのリベンジというわけじゃないですが、長く第一線から退いていた前田氏も喜んでいるでしょう。NHK経営委の石原委員長と九州つながりで親交があることも、今回の選定に影響したのではないか。現役時代の人物評は、真面目だけど浮世離れした人。みずほの社長になったのも棚ボタといわれていました」(金融ジャーナリストの小林佳樹氏)

今回の会長選任も棚ボタかもしれないが、安倍首相に連なる人選では、NHK改革は期待できそうにない。