玉沢元農相銃撃 82歳容疑者「金の返却断られ腹が立った」と供述

農相や防衛庁長官を務め、政界を引退した玉沢徳一郎(たまざわとくいちろう)氏(81)が盛岡市の自宅で10日に銃撃された事件で、岩手県警が銃刀法違反(加重所持)容疑で現行犯逮捕した同県奥州市水沢羽田町の農業、高橋脩(ひさし)容疑者(82)が「選挙のために貸した金の返却を求めたが断られ、腹が立って撃った」と供述していることが、捜査関係者への取材で判明した。県警は玉沢氏に対する殺人未遂容疑でも捜査を始めた。
県警によると、高橋容疑者は盛岡市内にある玉沢氏の自宅を訪れ、10日午後、居宅内で拳銃を発砲。玉沢氏は足を撃たれ、全治約2週間のけがをした。10日に手術を終え、会話はできる状態だが、県警は11日の時点で本人から事情は聴けていないという。県警は同日夜、玉沢氏の自宅を検証した。
高橋容疑者の逮捕容疑は10日午後2時ごろ、県警盛岡東署に自首した際、回転式拳銃1丁と実弾1発を所持したとされる。その際、玉沢氏を撃ったと話したが、県警によると、玉沢氏側から警察や消防に事件に関する通報はなかった。捜査関係者によると、拳銃の入手方法については「昔、知人からもらった」と供述している。
関係者によると、高橋容疑者は玉沢氏と高校の同級生で、玉沢氏の選挙を一時支援していた。2014年に玉沢氏と妻を相手取り、選挙資金として約40年前に貸したという1000万円の返却を求める民事訴訟を起こしたが、翌年、棄却されていた。インターネット上では、高橋容疑者本人とみられる人物が、提訴の経緯や玉沢氏への批判をつづったサイトが公開されていた。
玉沢氏は岩手県田老町(現宮古市)出身、1976年に初当選して衆院議員を9期務めた。94年の村山内閣で防衛庁長官、99年の小渕内閣、00年の森内閣でそれぞれ農相を歴任。07年、政治活動費の領収書改ざん問題で自民党を離党したが翌年復党。09年に政界を引退した。【日向米華、山田豊】