「絶滅」一転、イノシシ被害7300万円 山形、越冬できないはずが…

山形県は10日、2018年度のイノシシによる農作物被害額が前年度比約43%増の約7300万円と過去最悪だったと発表した。野生鳥獣全体の被害額はここ数年間減少傾向にあり、同約11%減の約5億1000万円だったが、イノシシ被害が突出している。【後藤逸郎】
農林水産省の被害状況調査をもとに県がまとめた。イノシシによる被害額は10年前の約35倍で、内訳は水稲の食害や踏み荒らしが約3700万円、果樹の園地掘り起こしや樹木の損傷が約1700万円など。捕獲頭数は前年度比約77%増の1575頭と過去最多だったが、被害の抑制には対応しきれていない。
県内はイノシシが越冬できないと考えられてきたが、天童市内で02年に1頭が捕獲されて以降、目撃・捕獲数が増加し、17年度の推定生息数は前年度比66%増の推定5300頭と急増。県は18年度、「レッドデータブックやまがた」でイノシシを「絶滅」区分から外している。
イノシシは農作物被害に加え、豚コレラ(CSF)ウイルスを媒介するため、県みどり自然課は「捕獲だけに頼らず、ネットの防護柵設置、果物などを空き地に捨てない、ヤブの草を刈って隠れ場所を作らない、など複数の対策を組み合わせると有効」と話している。