独自ナマハゲが地域で復活 くっきり顔、大みそか登場へ

「男鹿のナマハゲ」がユネスコ無形文化遺産に登録された昨年、途絶えていた行事が復活した秋田県男鹿市の増川地区で、今年は地区独自の面も復活する。住民たちは「地域のナマハゲが本格的に復活する」と大みそかを楽しみにしている。【川口峻】
男鹿半島南部に位置する増川地区の人口は市によると176人。日本海を望むゲストハウス男鹿には、ナマハゲがそもそも海外からやってきた「異邦人」ではないかとする説を連想させる、くっきりした顔立ちの真新しい三つの面が並ぶ。ゲストハウスを経営する三浦豊さん(68)が半年以上かけて作成したもので、今年大みそかの行事に使われる予定だ。
地区では人手不足などから、一時ナマハゲ行事が途絶えた。しかし、昨年、地区外からも担い手を募るかたちで、12年ぶりに復活させた。わらを編んで作る衣装「ケデ」は作れたが、面は途絶える前にも使っていた市販のものを使った。
行事復活を機に、地区では「せっかくなら面も」との声が上がり、三浦さんらが作成に取りかかった。ベンガラや藍など、天然の素材で彩色し、ナマハゲの毛には人用のカツラを利用した。
三浦さんは「地区の人もナマハゲが戻ってくれたという思いだと思う。迎えてくれる家が増えるのでは」と期待を込める。
さらに来年以降の使用に向け、県内へ留学中の大学生らも携わる別の面の制作も進んでいる。
ゲストハウスでは8日、希望して集まった国際教養大(秋田市)の留学生など約20人が面彫りを体験した。まず、三浦さんがふっくらしたほほや高い鼻など、地区の面の特徴を説明。参加者はなまはげ館(男鹿市北浦真山)に保管されている昔の面の写真を参考に、キリ材の皮をむいたり、目印にそって木を彫ったりして、面作りに挑戦した。
面はこの日だけでは完成せず、今年の行事には間に合わない見通しだが、三浦さんらは今後も面作りを進める考えだ。国際教養大のスロバキア人留学生、カタリーナ・ムリーホヴァーさん(26)は「地域の人と話しながら、珍しい経験ができた」と楽しんでいた。