萩生田・西村・加藤氏入閣へ=総務会長に鈴木氏浮上-内閣改造

安倍晋三首相(自民党総裁)は11日の内閣改造・党役員人事で、萩生田光一幹事長代行(56)と西村康稔官房副長官(56)を初入閣させる方針を固めた。
加藤勝信総務会長(63)は重要閣僚での再入閣を調整。加藤氏の後任には、鈴木俊一五輪担当相(66)の名が浮上している。
河野太郎外相(56)は防衛相に横滑りさせ、後任に茂木敏充経済再生担当相(63)を起用。2021年9月まで残り2年の党総裁任期をにらみ、要所に「ポスト安倍」候補を配置して競わせ、求心力を維持する構えだ。
萩生田氏は首相と思想信条が近く、首相も全幅の信頼を置く。これまで官房副長官などに就け、現在は幹事長代行として首相官邸と党のパイプ役を担わせている。
西村氏は首相の出身派閥である細田派のホープ。旧通商産業省出身の政策通として知られる。自民党が下野した直後の09年の党総裁選に出馬した経験を持つ。
加藤氏は首相側近の一人で、官房副長官や厚生労働相などを歴任。自民党内では経済産業相や社会保障改革担当相などに加え、昨秋まで務めた厚労相への再起用も取り沙汰されている。
鈴木氏は鈴木善幸元首相を父に持ち、麻生太郎副総理兼財務相(78)は義兄に当たる。失言で五輪担当相を辞任した桜田義孝氏の後をそつなくこなし、安定感には定評がある。
内閣改造では、政権中枢の麻生氏と菅義偉官房長官(70)の留任が、既に固まっている。これ以外の閣僚ポストは大幅に入れ替える見通しで、調整が続いている。
党役員人事では、二階俊博幹事長(80)と岸田文雄政調会長(62)、森山裕国対委員長(74)の留任が固まった。甘利明選対委員長(70)は交代する見通し。首相は引き続き党の要職で処遇する方針で、税制調査会長への起用を検討している。甘利氏の後任には下村博文憲法改正推進本部長(65)の名が挙がっている。