ノーベル賞「最大3人」の是非=研究規模拡大、貢献どう評価―人数制限ない賞に脚光

【ストックホルム時事】今年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池を開発した吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)と米大学の2氏に決まり、実用化に寄与した東芝研究開発センターの水島公一エグゼクティブフェロー(78)らは選に漏れた。一つのテーマでの受賞者を最大3人に限定しているためだが、近年は研究チームの規模も大きくなり、「4人目」となった科学者の功績をどうたたえるかが問われている。
ノーベル財団は規約で、賞金は「いかなる場合も3人を超えては分けられない」と定める。2017年の物理学賞は「重力波」の初の直接観測が対象となったが、観測した国際チーム「LIGO(ライゴ)」に関わった1000人以上の研究者のうちチームを率いた米国の3人が受賞者となった。
一方、米フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)らが創設したブレークスルー賞は「科学界のアカデミー賞」をうたい存在感を高めつつあるが、受賞者数を限定していない。
今年はブラックホールの姿を初めて撮影した国際研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」が選ばれたが、世界各地の電波望遠鏡をつないで観測するEHTには、世界各国から研究者が参加。共同受賞者数は347人に上り、300万ドルの賞金は等分された。
プロジェクトに加わった本間希樹・国立天文台教授(48)は「数人の天才が何かを成し遂げるのは少なくなっている」と指摘。ブレークスルー賞について「ノーベル賞とは違う基軸で評価する動きが出てきているのは良いことと思う」と話す。
「確かに悔しいと言えば悔しい」。ノーベル賞を逃した水島さんは本音を漏らしつつも、「むしろ絞って1人にした方がよいのでは」と話す。研究テーマにもよると前置きした上で、「物質の研究ならば最初にアイデアを出してまとめた人はせいぜい1人か2人」という。