ジャパンライフ・山口隆祥会長(当時)宛ての「桜を見る会」の招待状が被害を拡大させた問題で、安倍政権に国家賠償責任を問う声が上がっている。
ジャパンライフは約40年に及ぶ老舗の悪徳業者。消費者庁は2013年ごろから、その悪質性を把握し、14年には行政指導を行っている。ところが、安倍首相は15年の「桜を見る会」に山口会長を招待し、「功労・功績者」のお墨付きを与えた。ジャパンライフは招待状を目いっぱい「信用創出」に悪用し、被害が拡大したのだ。
国の重大な落ち度は明らか。公的行事だけに国家賠償責任はうなずけるが、一方でツイッターではこんな反応がある。
〈国家賠償もいいけど、安倍が招待してるんだから安倍に賠償を求めたい〉〈国家賠償って税金から出すの? 安倍一味が原因なんだから安倍の自費で出すべきじゃない〉
税金私物化の「桜を見る会」から生じた損害について、どうして税金で尻ぬぐいしなければいけないのか――納得の意見だ。
地方公共団体では、住民訴訟により首長個人や職員に損害が請求されるケースがある。16年、最高裁は国立市が建設業者に支払った巨額の賠償金について、当時の市長個人に支払いを命じた。また、談合事件で不当につり上げられた工事費に関与した役所の職員に、請求する住民訴訟も少なくないという。
しかし、国家公務員個人を相手に住民が直接、賠償を請求できる制度はない。国家賠償訴訟で、国の責任に加えて、安倍首相個人の責任は問えるのか。成蹊大教授の武田真一郎氏(行政法)が言う。
「住民はムリでも国の賠償が認められた場合、国は故意または重過失がある当該公務員(安倍首相)に対して、支払いの請求が可能です。まずは、桜を見る会へのジャパンライフ会長の招待によって損害を受けたとして、国家賠償訴訟を起こすことが重要です。招待状がジャパンライフの被害を拡大させたという因果関係が証明できれば、国家賠償が認められる可能性はある。これまでにはないケースで大変興味深い。ただし、主催者の安倍首相に請求を行うのは国で、現政権が継続する以上、請求は考えにくい。政権交代が必要でしょう」
やはり政権交代でギャフンと言わすしかない。