バブル経済崩壊後の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った「就職氷河期世代」の人々が10日、同世代への支援を担当する内閣官房の「就職氷河期世代支援推進室」に、提言を含む要請書を提出した。要請に参加した人々は記者会見し、「氷河期世代の正社員化や所得の向上に実効性のある支援を実施してほしい」などと訴えた。
要請したのは、氷河期世代の有志で、37歳から44歳で、介護士や社労士、映画監督などで、無職の人もいた。この同世代には、正社員などの安定した仕事に就けず、日雇い派遣や短期雇用など非正規労働で働いてきた人が多い。政府が氷河期世代への支援策を打ち出したのをきっかけに、同じ世代の声を集めて政府に届けようと支援に関するイベントを開催し、その声を要請内容に反映させた。
要請書では、①氷河期世代を新たに正社員など継続した雇用で雇った事業者に助成金を出す制度の拡大②同世代で、働いても年収300万円(月収25万円)に満たない者に給付付き税額控除の仕組みを導入③短時間正社員制度の創設を企業に義務付ける――などを求めている。要請を受けた同室では、①については拡大の方向で調整していることなどを説明したという。
メンバーの一人で労働組合「氷河期世代ユニオン」で活動する小島鐵也さん(44)は「現在、非正規で働く人は同じ職場で正社員になれるようにするなど具体的支援を」と訴えた。さらに、「氷河期世代が安定した仕事に就くのに一番の壁は、職歴と年齢。厳しい中で転々と仕事を変えざるを得なかった。人間性や能力を評価してほしい」と話した。また、映画監督の増山麗奈さん(42)は、政府が支援の取り組みを始めたことは評価しつつ「30万人の正社員化を目標にしているが、氷河期の400万人が非正規で働いているのを考えれば低い目標だ」と苦言を呈した。【東海林智】
就職氷河期世代
バブル経済がはじけ、就職状況が厳しくなった1994年ごろからITバブルなどを挟みながらも2005年ごろまで続いたとされる。現在30代半ばから40代半ばにあたる人たち約1700万人で、うち約400万人が非正規雇用で働いているとされる。