漁船内に覚醒剤600キロを所持、男女11人逮捕 昨年押収量の半分に匹敵

熊本県天草市で係留中の漁船内に大量の覚醒剤を所持したなどとして、福岡県警や税関などの合同捜査本部は12日、台湾籍や日本人の密輸グループの男女11人を覚せい剤取締法違反(営利目的所持)容疑などで逮捕したと発表した。押収した覚醒剤約600キロ(末端価格約360億円相当)は、昨年1年間に全国の密輸摘発で押収した量の半分に匹敵し、国内で一度に押収された量としては過去2番目の規模になる見通し。
捜査関係者によると、密輸グループは洋上で船の積み荷を移し替える「瀬取り」の手口で密輸を繰り返していたとみられ、合同捜査本部は背後に国際的な犯罪組織があるとみて全容解明を目指す。
逮捕されたのは台湾籍の男4人と日本人男女7人。このうち台湾籍の漁業、洪福財(ホォンフゥツァイ)容疑者(68)ら3人の逮捕容疑は、11日午後5時25分ごろ、天草市魚貫(おにき)町の漁港に係留した漁船内で、大量の覚醒剤を所持していたとしている。密輸が疑われる日本船籍の漁船が11日午後に接岸した際、複数の捜査員が踏み込んで船内にいた3人を現行犯逮捕した。
残りの8人は大量の覚醒剤を輸入する準備行為をしたとしている。県警は11人の認否を明らかにしていない。
財務省によると、密輸に絡み、全国の警察や税関などが昨年1年間に押収した覚醒剤は約1156キロだった。1回の押収量としては、今年6月に静岡県南伊豆町で警視庁などが押収した約1トンが過去最大だった。
摘発の現場となったのは天草諸島下島の西側にある小さな漁港。住民によると、当日はサイレンを鳴らしたパトカーが集まり、数十人の捜査員らで騒然となった。ブルーシート上に押収物を並べる様子を目撃した農業女性(80)は「こんなことが起きて驚いた」と話した。【平塚雄太、清水晃平】