大阪・梅田の地下“ラビリンス” トイレは「Restroom」、切符売り場は「Tickets」に統一

訪日外国人が多い大阪・梅田で、大阪観光局や大阪府・市、鉄道会社が協力し、設置者ごとに異なる交通案内板の表記を統一しようと整備を始めた。ターミナル駅や地下街が複雑に入り組み、利用客から「分かりにくい」と改善を求める声が出ていた。2025年大阪・関西万博を控えて外国人客がさらに増えることなどを見据え、22年度中の改修を目指している。
梅田はJR大阪駅のほか、阪急、阪神がターミナル駅を置き、大阪メトロも3駅がある。昨年4月、JR西日本や阪急、阪神、大阪地下街株式会社などで構成する「大阪・梅田駅周辺サイン(案内表示)整備検討協議会」を設置。同7月には、掲載する情報の優先順位は「交通施設、利便施設(案内所やトイレ、切符売り場など)、主要施設(百貨店や大型ホテルなど)の順」と決め、「表記は日本語と英語の併記が基本で、利便施設は4カ国語(日本、英語、韓国、中国)」など細かな共通ルールを定めて整備に乗り出した。
対象は鉄道やバスなど交通機関の案内表示約580基。これまでに北新地、東梅田、西梅田の各駅と西梅田地下道の4カ所約150基の改修を終えた。JR大阪駅北の再開発エリア「うめきた」の地下に新駅「 北梅田駅(仮称)」が23年春には開業予定のため、22年度の事業完了を目指す。
例えば、地下鉄の「御堂筋線梅田駅」の案内で、これまで英語表記は「Subway Midosuji―Line」や「Subway Umeda Sta」など事業者ごとに異なっていたが、「Subway Midosuji Line Umeda Station」に統一した。表記は観光庁が定めた多言語対応に対するガイドラインを踏まえており、トイレは「Restroom」、切符売り場は「Tickets」にそろえる。

また、目的地までの一般的なルートでは、案内する誘導サイン(矢印)が途切れないようにする。文字の大きさや色、電車やバスを示す絵文字(ピクトグラム)などもルールを決めて統一感が出るよう整備する。
一方、商業施設については今回は表記のルール化を見送った。外国人客も多い百貨店や家電量販店が近接するが、事業者の経営戦略に関わり統一には時間がかかると判断した。
案内板の表記統一は、国内で1日の乗降客数が最多の新宿駅が先駆けだ。同駅はJRや東京メトロ、都営地下鉄など6事業者の12路線が乗り入れる。東京都や鉄道会社などでつくる協議会が17年8月、整備計画を策定して取り組みを開始。国、事業者、都が3分の1ずつ費用を負担し、事業はほぼ完了した。都内では、1日平均の乗降客が20万人以上などの条件を満たす主要ターミナル駅9カ所で整備を予定し、渋谷駅と池袋駅でも着手している。大阪府・市は新宿駅の例を参考に各6分の1を補助し、残りを事業者が負担する。
観光局によると、18年に大阪を訪れた外国人観光客は前年比2・8%増の1141万6000人。担当者は「大阪・梅田エリアは複数の路線が乗り入れ、関西全体への移動の起点となっており、観光周遊の促進につなげたい」と説明する。【岡崎大輔】