神奈川県庁HDD転売事件 IT専門家が「内部協力者」の存在を指摘

ほかにも犯人がいるのではないか――。神奈川県庁のハードディスク(HDD)がネットで売られていた事件でこんな声が上がっている。

HDDの廃棄を請け負った「ブロードリンク」の元社員・高橋雄一容疑者(51)が会社から持ち出し、ヤフオクなどで売っていたことが発覚、6日に窃盗容疑で逮捕された。ブロードリンクは9日に会見を開き、高橋容疑者が2016年2月に入社後、HDDなど7844個を出品して落札されていたことを公表した。NHKの報道によると、高橋容疑者は社内調査で、HDDを「事務所近くのコンビニから落札者に発送していた」と説明したという。

それにしても3年で7844個とは驚きの数字だ。IT関係者が言う。

「高橋がHDDなどを持ち出した期間を3年半とし、週5日出勤で計算すると計912日。1日に8個以上を持ち出していたことになります。ネトオクは商品の写真を撮ってサイトにアップし、梱包して発送するなど手間がかかる。そのため『単独犯でなく、協力者がいたのではないか』との声も上がっています」

ブロードリンクによれば高橋容疑者は正社員で、毎日出勤して日勤と夜勤で働き、「一般企業のように残業もあった」(広報担当者)。ネット犯罪に詳しい田中一哉弁護士(サイバーアーツ法律事務所)も「それだけの数を一人でさばくのはしんどい作業。協力者がいた可能性が高いとも思われます」と言う。

■年々増える出品

朝日新聞が集計したところ、高橋容疑者のヤフオク出品は年々増え、今年は今月6日までの11カ月で約2000件。16年以降の落札総額は1200万円を超えるという。

「この事件はグループ犯罪かもしれません」と驚きの指摘をするのはITジャーナリストの井上トシユキ氏だ。

「私の取材では高橋容疑者には社内に複数の協力者がいてグループで行ったという話も浮上しています。小遣い稼ぎをしているうちに、犯行がバレないのでエスカレートしてしまったのではないか。そう考えないと7844個という数字は理解できません。あくまでも推測ですが、会社ぐるみではないかとさえ思えるのです」

単独犯か、それともグループ犯か。真相を知りたいところだ。