1995年1月の阪神大震災から25年を迎えるのを前に、犠牲者らの名前が刻まれた「慰霊と復興のモニュメント」(神戸市中央区)に14日、新たに4人の銘板が追加された。訪れた遺族らは自らの手で銘板を張り付け、故人の冥福を祈った。2000年1月の設置以降、掲示された銘板はこれで5016人分になった。
奈良県橿原市の今村憲司さん(76)は妻の佐智子さん(72)と共に、震災で亡くなった弟、幸司さん=当時(44)=の銘板を設置した。涙をこらえ、「落ち着く所ができてほっとした。これで安らかに眠ってもらえる」と話した。
憲司さんの兵庫県芦屋市の実家は震災で全壊。1階にいた両親は助けられ無事だったが、2階にいた幸司さんは崩れた家の下で遺体で見つかった。
画家を目指して仕事を辞めた幸司さんの絵は、震災の1年ほど前から売れ始めていた。幸司さんが自分で育てたひょうたんを描いた静物画だけが無事だった。「道半ばで、実りかけてきたところだったので残念に思う。絵は弟が生きた証し」。ひょうたんの絵は、今も憲司さんの自宅に飾られているという。
[時事通信社]