来年のえと「子(ね)」にちなんだネズミが局名に入る山形県鶴岡市の鼠ケ関(ねずがせき)郵便局が、当初休業予定だった元日に臨時で業務を行うことを検討している。風景印の図柄にネズミは登場しないが、12年前は「山形鼠ケ関」の文字が人気で元日の日付が入る押印の依頼が殺到した。昨年3月からは集配業務は行っておらず、経費削減で1年前から年末年始は休業とした。新年の押印は業務開始と同じ1月6日からを予定していたが、「郵趣(郵便趣味)愛好家の声に応えたい」としている。
同局は臨時出張所の開設許可を日本郵便東北支社に申請。認められれば地元の郵便局長らによる今月20日の会議で正式に決まる。
同市は今年6月、山形県沖を震源とする地震で震度6弱を観測し、震源に近い同局周辺は約100棟の民家で屋根瓦が破損した。今も屋根を覆うブルーシートが散見され復興は半ばだが、この間、1人暮らしの高齢者宅の修理を優先させるなど被災者同士が譲り合った。自宅も職場も被災した佐藤仁志局長(54)は「思いやり、助け合う地域の絆を再確認した」といい、風景印の愛好者との絆も大事にしたい考えだ。
過疎化が進み、子供の姿は減っているが、ネズミは多産で子孫繁栄の象徴。佐藤局長は「にぎわった時代の記憶がある世代だけに寂しさもあるが、子供たちが元気に育つような年になってほしい。膝をつき合わせ、頼み頼まれる関係が生きている地域の強みを次の世代に伝えたい」と新たな年へ願いを込めた。【長南里香】