タラバガニの仲間で、網走産が国内水揚げ量の9割以上を占める「イバラガニ」。北海道網走市の水産加工会社「牛渡水産」が、地元でしか味わえない希少部位を使った新商品「かにハラミ」を開発し、来年2月の本格販売を目指している。
開発したのは、同社3代目の牛渡貴士さん(35)。5年前に札幌の住宅メーカー勤務からUターンして家業に加わった。漁獲量の減少などで苦境が続く中、網走産の水産物をアピールしようと、イバラガニに着目した。
イバラガニはタラバガニに比べて知名度が低いが、食感や味には定評がある。中でも「ふんどし」と呼ばれる腹部の身は、1匹3~4キロから70グラム程度しか取れないが、漁師も絶賛する味。ただ、鮮度を保つのが難しく、流通せず廃棄されることも多かった。
その希少性を生かそうと、牛渡さんは北見市内の食品コンサルタントの協力を得ながら研究を繰り返し、3年がかりで商品化にこぎ着けた。「かにハラミ」と名付けられ、東京や札幌での消費者調査で好評を博した。クラウドファンディング大手マクアケを通じて支援者を募集したところ、3時間ほどで目標金額の20万円を達成し、既に3倍を超えた。
かにハラミは、ゆでたプレーン▽山わさびあえ▽外子あえ――の3種類で、1瓶100グラム入りで1620~1836円の予定。網走市内の道の駅流氷街道網走で販売するほか、ふるさと納税の返礼品として提供を計画している。
牛渡さんは「網走といえばイバラガニと言われるよう、知名度を高めたい」と意気込み、ブランド化も目指す。【本多竹志】