学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)で土地売却の手付金21億円が横領された事件で、元理事長の大橋美枝子容疑者(61)が、東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市中央区)の社長、山岸忍容疑者(56)=いずれも業務上横領容疑で逮捕=について、「山岸容疑者が金主(資金源)だった」と周囲に話していたことが、関係者への取材で判明した。
山岸容疑者は、大橋容疑者が法人経営に参入する際に18億円を貸し付けたと認めており、大阪地検特捜部は両容疑者らが長期的に横領を計画していたとみて捜査している。
大橋容疑者は2016年4月、副理事長として法人に入った。この際、山下隆志容疑者(52)=同容疑で逮捕=の経営する不動産会社を通じて18億円を借金。当時理事長だった山口県の男性に、返済期限や利子を設定せずに10億円を貸し付けた他、関係会社を通じて法人に5億円を寄付し、翌年に理事長に就任した。
関係者によると、この18億円は山岸容疑者の個人口座から山下容疑者の会社に入金されていた。
大橋容疑者らは17年7月、法人が運営する高校(大阪市阿倍野区)の土地を売却する契約で得た手付金21億円について、2社を通じて山下容疑者の会社に送金して着服したとして逮捕された。
その後、21億円のうち約18億円が山岸容疑者側の口座に入金されたという。21億円は土地購入のためにプレサンスが支払った資金だったが、その大部分が山岸容疑者個人に還流していた。
山岸容疑者は横領容疑を否認しているが、逮捕前の社内調査に対しては「個人的に18億円を貸し、返してもらった」と説明。「土地取引を円滑に進めるためだった」とも話していたといい、大橋容疑者らが資金力を背景に経営の実権を握ることで、早期にプレサンスへ土地を売却する狙いだった疑いがある。
特捜部は同社の他の取締役らについても任意で事情を聴き、取引の詳しい経緯を調べている。【松本紫帆、山本康介、藤河匠、加藤栄】