UCC上島珈琲(神戸市)は12月11日、缶コーヒー「UCC ミルクコーヒー」に使用している3色のデザインを商標登録したと発表した。11月29日に特許庁から「色彩のみからなる商標」として認可が下りたという。同社によると、色彩のみからなる商標の登録は食品業界として初。
登録の認可が下りた商標は、茶色、白色、赤色の3色からなる。茶色は「焙煎したコーヒー豆」、白色は「コーヒーの花」、赤色は「熟したコーヒーの実」を表現している。
UCC上島珈琲は2015年5月に特許を出願。4年越しの登録となった。4年というと、申請から登録までの期間が長いように感じる。期間の長さについて特許庁の担当者に聞いたところ、「個別の案件についてはコメントできない」との回答があった。
ただ、一般論としては、申請があってから10カ月ほどで1回目の審査を行うという。この審査で問題がなければ登録する。ただ、類似のデザインがあったり、商品の品質を示す文言が入っていたりする場合には追加で審査を行う必要があるのだという。担当者は、色彩のみからなる商標の登録条件として「単色のものは基本的にNG」「色彩を見た人が一目でどこの企業のものか分かること」といったものを挙げた。
もし申請が通らなかった場合、まず「拒絶理由通知」を発行する。その後、不服があれば「拒絶査定」というフローに進むという。その後、追加書類の提出などを経て「拒絶理由解消」した場合には再度、特許査定、登録へと移る。逆に解消できなかった場合には、「拒絶査定不服審判請求」へと進む。
これまでの7例には、トンボ鉛筆の消しゴムやセブン-イレブンのイメージカラーなどを登録している。
4年越しの“悲願”について担当者は……
申請から4年越しの“悲願”達成となったことをUCC上島珈琲の担当者に聞いたところ「これまの申請件数から、当社を含めて8件しか登録がない。ハードルが高いものなのだという印象を持っている」と話した。
特許情報プラットフォーム「J‐Plat Pat」で本件の「審査記録」を見ると、申請に対する拒絶理由通知書手続きが16年6月7日に行われている。その後、UCC上島珈琲の代理人が19年8月16日付で商標に関する販促活動や認知度の証拠を提出。10月の面接や、登録を出願する商品範囲の縮小など手続きの補正を経て、登録にこぎ着けた。
UCCミルクコーヒーは1969年4月に発売。70年の大阪万博を機にヒットし、全国へと人気が拡大していった。2019年には誕生50周年を迎え、「缶コーヒーの最長寿ブランド」としてギネス認定を受けた。くしくも50周年のタイミングで登録があったことは「ちょうど50周年に間に合った。結果としていいタイミングになった」と話した。
現在のパッケージデザインは10代目で、19年4月に発売した。出願した時点で販売していたのは9代目のデザインだが、10代目も大きな違いはないという。