山口県上関町は17日、総合教育会議を開き、町内の離島・祝島で2021年4月、休校中の祝島小を再開する方針を決めた。祝島は人口351人で高齢化率76・64%と急速に過疎・高齢化が進むが、Iターンで島に移り住んだ3家族の子供3人が21年度に学齢期に達するため、島民が再開を要望していた。町は校舎の改修費用など約3千万円を来年度当初予算に計上する方針だ。【松本昌樹】
町教委によると、05年から休校している祝島中の技術棟(延べ床面積約90平方メートル)を改修し、教室や職員室を整備して、小学校の校舎に利用する。教職員は校長と教諭を配置し、給食や周辺の環境整備は保護者らに協力を求めて進めるとしている。総合教育会議を受け、柏原重海町長は「祝島の住民の要望を踏まえ議論した。条件が整いつつあるので総合教育会議の意見を尊重して進める」と述べた。
祝島小は、1950年代には児童数400人を超えていたが、2002年度末に児童がいなくなり休校。05年にUターン世帯の女子児童1人で再開し、続いて弟たちが入学した。更に11年3月の東京電力福島第1原発事故後、祝島に避難した住民らにより児童数は一時、7人に増えたが、16年に再び児童がいなくなり休校していた。
その後、親と共に移住した男児が18年4月に就学年齢に達し、島民は270人分の署名を添え、町教委に再開を要望したが、教委は「転出入が頻繁にあり、児童数が不安定なため、予算措置は慎重にならざるを得ない」と難色を示していた。しかし、島では事故後に移り住んだ若者たちが、島民から漁業や大工の仕事を学び生計を立て定着してきており、現在、3家族の子供6人のうち、4人は移住後に生まれている。
移住者たちの相談役の国弘公敏さん(64)は「子供たちにとって島は古里。思い切り遊び、島の人に見守られ生活する意味は大きい」と歓迎した。