飼っていたインコを虐待したとして、動物愛護法違反の罪に問われた無職の男(34)の初公判が11日、名古屋簡裁で開かれた。男は「確かにその通りです」と起訴内容を認めた。
起訴状によると、男は6月22日ごろ、名古屋市内の当時の自宅で飼育していたインコに避妊具をかぶせて動けなくした上で、棒を押しつけるなどの虐待行為をしたとしている。7月に愛知県警が同法違反容疑で逮捕、名古屋区検が起訴していた。
検察側は冒頭陳述で「4月にインコを買ったが、6月には鳴き声に腹を立てて犯行に及んだ」と指摘した。
虐待の様子は会員制交流サイトに投稿され、複数の愛鳥家が県警に相談して発覚した。その一人の青木敦子弁護士によると、ネット上には男がインコを火であぶったり、翼にホチキスの針を打ち込んだり、水に溺れさせる動画などが投稿されていたという。厳罰を求める動きが広がり、名古屋地検と名古屋簡裁に嘆願書が提出されている。
インターネットに犬や猫の虐待動画を投稿するなど、悪質な事例が後を絶たないため、今年6月に改正動物愛護法が成立した。今回のような虐待は、現行では「100万円以下の罰金」だが、法改正で「1年以下の懲役」が加わる。【川瀬慎一朗】