メンツをツブされたまま、黙っていられなかったのか――。
6代目山口組弘道会系の40代組員を襲ったとして、対立する神戸山口組山健組系組員の吉武徹弥容疑者(48)が16日、殺人未遂の疑いで大阪府警浪速署に逮捕された。
同日午後7時半ごろ、40代の組員は同じ組の仲間と出掛けるため、組事務所(大阪市浪速区)前の路地から出たところにあるコインパーキングにいた。駐車中の車の料金を精算していると、いきなり背後から吉武容疑者に体当たりされ、刃物をふりかざしてきたため、抵抗。路上にいた数人の同じ組員たちが吉武容疑者を取り押さえ、私人逮捕した。組員たちにけがはなかった。
同36分、一緒にいた組員が「包丁を持っている男を押さえている。急に襲い掛かってきた」と110番し、駆け付けた警察官に引き渡した。
「なぜ無傷やったんかは、見分してみな分からんところやけど、よほどの覚悟でいってるはずなだけに、不思議な話やで。包丁は柄の付近が折れとって、所持しとったかばんの中からはもう1本、果物ナイフが見つかった」(捜査事情通)
吉武容疑者は2015年12月にも、6代目山口組系の組員に集団でボコられた翌日、仕返しで別の浪速区の6代目系事務所へカチコミ。玄関正面に2度、盗難車を突っ込み、逮捕されている。
神戸山口組は10月に山健組組員2人が事務所(神戸市)前の路上で弘道会系組員に射殺され、その後も熊本、札幌、そして尼崎で幹部が自動小銃で射殺されるなど、これまで6代目側にやられっ放し。今回は8月に山健組の中田浩司組長(60)が、神戸の弘道会神戸事務所前で組員に発砲し、重傷を負わせて以来の「返し」になる。
■セカンドバック強奪 2度目は太もも刺す
吉武容疑者は1997年7月、和歌山県田辺市で「紀州のドン・ファン」こと故・野崎幸助氏を襲撃し、2000年に逮捕された過去を持つ。
「和歌山の元暴力団幹部と共謀し、早朝、事務所に出勤してきた金融業の野崎さんから金庫のカギが入ったセカンドバッグを奪い、元暴力団員の会社の従業員が運転する車で逃げた。その約1カ月後、元暴力団員は再び野崎さんを襲い、現金850万円、35万円相当の商品券が入ったバッグを強奪したうえ、追いかけてきた野崎さんの右太ももを刃物で刺し、重傷を負わせた」(捜査関係者)
吉武容疑者は山健組傘下「健竜会」(神戸市)の幹部で、同会の4代目会長は神戸山口組の井上邦雄組長(71)、5代目会長は山健組の中田組長と、まさに神戸山口組の本流だ。
かつては「山健にあらずんば山口にあらず」と言われた武闘派・山健組の逆襲が始まるのか。