「火が見える!」記者室も騒然=ロケット近くオレンジ色の炎

「火が見える!」。約3時間半後にH2Bロケットの打ち上げが迫った11日午前3時すぎ、種子島宇宙センターの記者室に大声が響いた。待機していた記者はカメラを抱えて次々と部屋を飛び出し、騒然とした雰囲気に包まれた。
約3キロ離れた発射地点にそびえるH2Bロケットを見ると、下部に炎のようなオレンジ色の光が見えた。消火作業のためか、白っぽい煙も立ち上った。
打ち上げを担う三菱重工業の広報担当者は困惑した表情で「事象を確認中です」と繰り返し、約1時間後に火災発生を明らかにした。
午前6時15分からは、打ち上げの責任者を務める同社の田村篤俊・宇宙事業部副事業部長らが記者会見。「打ち上げを延期してしまったことに重大な責任を感じている」と硬い表情で語った。原因については「現物を見て確認したい」と述べるにとどめた。