「自殺は過重労働で精神障害発症が原因」遺族が食品卸売会社に賠償求め提訴 長崎地裁

長崎県佐世保市の食品卸売会社で働いていた男性社員(当時25歳)が2017年3月に自殺したのは、過重労働で精神障害を発症したのが原因として、男性の母親(65)が19日、会社に約1億1000万円の損害賠償を求めて長崎地裁に提訴した。
訴状などによると、男性は14年4月から働き始めた会社でスーパーなど60カ所以上の取引先を担当し、商品配送や集金に携わっていた。同12月の時間外労働は165時間を超えるなど、残業が月100時間を超す勤務が常態化する中、17年3月に市内の山中で自殺した。
男性の携帯電話には「職場環境が良くなることを祈る。絶対に定時で終わらない仕事量」「本当はもっと親孝行したかった。人生に疲れ、あきれ果てた」などのメモが保存されていた。佐世保労働基準監督署は今年3月、男性が14年12月の時点で精神障害を発症していたなどと判断し、自殺の原因が長時間労働と労災認定したという。
提訴後、長崎市で記者会見した母親は「子供は使い捨てのように扱われ、会社から謝罪の言葉もない。企業は働かせ方を考えてほしい」と涙ぐみながら訴えた。会社側の代理人弁護士は「訴状が届いていないので主張を把握してから対応を検討したい」としている。【松村真友】