議場で「分身ロボット」試用 頸椎損傷の奈良市議 遠隔操作で音声や映像確認

奈良市12月定例議会最終日の16日、肩から下が動かず電動車椅子で議員活動をしている林政行議員(37)が議会の許可を得て、カメラとマイクを搭載した小型ロボット(高さ23センチ)を本会議場で試用した。林議員は「まず自分の身の回りでどれだけ活用できるか試したい」と話す。【姜弘修】
林議員は天理高校3年生の時にラグビー部の練習試合で頸椎(けいつい)を損傷。重度の障害が残ったが、政治を志し、前回の市議選で初当選した。挙手や起立による意思表示が難しく、本会議や委員会では議会事務局の職員が付き添い補助している。
議場に持ち込んだのは、オリィ研究所(東京)の分身ロボット「OriHime」。通話機能だけでなく、スマートフォンなどによる遠隔操作で腕や首が動き、その場にいなくても意思表示できるのが特徴だ。林議員が11月下旬から自費で1カ月間、レンタルして使っている。
今回の持ち込みは議場でどれだけ他の議員らの発言が聞こえ、映像が見られるかを確認するため。議場の林議員の席にロボットを置き、議会事務局と情報政策課の職員が遠隔操作で確認した。
「分身」として質疑や討論、挙手などができるため、体調不良などに見舞われても審議や採決に議場外から参加できる可能性がある。ただ、会議規則は議員の出席を前提としており、議場での“代理”としてのハードルは高い。林議員も「議場に即刻、これを入れるべきとは思っていない」との立場だ。
森田・奈良市議長「有意義なら検討」
森田一成議長は「議会の立場としてぜひ検証してみたいと思い許可した。有意義に使えるのであれば前向きに検討していきたい」と述べた。