最近は韓国の訪日客が減少傾向のせいもあり、ますます存在感を高めている中国人のインバウンド需要。特に近年は日本でちょっとマイナーな観光地を訪れたり、変わった体験をしてみる「コト消費」が人気だ。中国人向けSNSの投稿から2019年の「中国人が日本で行った場所・したい事」の独自データを分析したところ、日本のリアルな人気スポットが浮かび上がった。
札幌が2位から4位に後退
調査データは、中国向けマーケティング分析を手掛けるトレンドExpress(東京・千代田)が1~10月分の中国人向けSNS、ウェイボーへの投稿を集計して分析。「日本で行った場所」では約42万件、「日本でしたい事」では約110万件の投稿を元に、浮上したキーワードをランキング化した。
まず、「日本で行った」という口コミで投稿されたスポットのランキングを算出したところ、前年に続き1位は「沖縄」に。一方で同じく中国人客に根強い人気を誇ってきた北海道の札幌は、18年の2位から4位に後退した。
本データは「SNSで話題になったか」の指標を基にしたランキングのため、必ずしも来訪者数と完全に相関する訳ではない。ただ、10位までの上位陣が比較的似た顔ぶれな一方、12位「あべのハルカス」や14位「箕面」など、外国人が訪れるにはちょっとマニアックな場所もより浮上している傾向がより顕著となった。13位の「新橋」などは一見観光地に見えないエリアだが、ドラマや漫画で日本の居酒屋文化が中国で近年紹介されることで、こうした日本人に割と日常的な場所も「コト消費」の文脈で楽しまれているようだ。
「したい事」では「聖地巡礼」が浮上
次に「日本でしたいこと」の投稿で挙げられた体験やイベントのランキングでは、やはり「買い物」「日本料理を食べる」「温泉」といった定番が上位に入った。10位以内を見ると割と人気の体験が固定化しつつある一方、もう少し下の項目を分析すると、やはりこちらでもちょっとマニアックな体験・イベントが前年よりさらに浮上する結果となった。
例えば6位の「桜を見たい」、10位「ドラマ、映画、アニメの聖地巡礼」などが代表的だ。日本のお花見人気は専用ツアーが組まれるなど例年人気で、聖地巡礼も以前から中国人訪日客の目的の1つになっていた。ただ、より「ベタ」な観光目的を押しのけて上位に食い込むほど、中国人が日本に求める体験はより細分化され、マニアックになってきたようだ。
他にもアジア圏で実は評価の高い「美容院」が11位に入っている。「外国観光中にわざわざ髪を切るの……」と思えなくもないが、分かりやすい観光ツアー内容でなく、流行や個人の好みに沿った「コト消費」を日本で体験したがる中国人が、依然として増加していると言えそうだ。