大阪府寝屋川市の中1男女殺害事件で、死刑判決を受けた山田浩二被告(49)の控訴取り下げを無効とした大阪高裁の決定を不服として、大阪高検は20日、最高裁への特別抗告と、大阪高裁への異議申し立てを行った。控訴審を再開するかどうか、改めて司法判断が示されることになる。
山田被告は昨年12月、裁判員裁判の1審・大阪地裁で求刑通り死刑判決を受け、控訴した。大阪拘置所で今年5月、備品の返却を巡って刑務官とトラブルになり、自ら控訴を取り下げて死刑判決がいったん確定。弁護人は、取り下げを無効とするよう高裁に求めた。
大阪高裁の村山浩昭裁判長は今月17日、「自己の権利を守る能力が著しく制約されていたとは言えない」とする一方、被告は取り下げで死刑判決が確定することを明確に意識していなかった疑いがあると判断。取り下げを無効とし、控訴審を再開する決定を出した。
控訴の取り下げを無効とする明確な法律上の規定はなく、検察幹部は「法秩序を破壊しかねず、とても承服できない」と語った。
1審判決によると、山田被告は2015年8月、星野凌斗(りょうと)さん(当時12歳)と平田奈津美さん(同13歳)の首を圧迫するなどして殺害した。
死刑判決を巡り、控訴の取り下げが無効と判断されるケースは極めて異例。過去には、神奈川県の女子高生ら5人を殺害したとして、横浜地裁で死刑判決を受けた藤間静波・元死刑囚(07年執行)が独断で控訴を取り下げたが、最高裁が1995年に無効と判断した例がある。【村松洋、松本紫帆】