コンビニ大手3社のなかで、他社に先んじて多くのスマホ決済を導入したのがローソンだった。ただし、競合のなかで唯一、ローソンは独自のスマホ決済サービスを持っていない(7Payはトラブルにより、9月30日をもってサービス終了の予定だが)。
そのぶん、ローソンで利用できる決済サービスは数が多く、LINE Pay、楽天ペイ、d払い、Origami Pay、PayPay、QUOカードPay、メルペイ、au PAYが利用できる。このほかにも、Alipay、WeChatPay、NAVER Payなどが利用可能だが、主に中国人・韓国人観光客向けなのでここでは割愛する。
それでは、利用可能な上記8社のなかで、ローソンで使うとお得なのはどこなのか。8月上旬に筆者が調べたところ、Origami Payがもっともお得だろうという結論に至った。その理由を以下で挙げていこう。
ローソンは独自のスマホコード決済を提供しておらず、独自のキャンペーンも行っていない。よって、スマホ決済サービス各社の“地力”が試されるフィールドとなっている感がある。
まず、普及率、認識率ともに低めなサービスから見ていこう。携帯キャリアのドコモとauがそれぞれ行っている、d払いとau PAY。d払いは決済時の還元率が0.5%。au PAYも同じく0.5%だ。どちらも還元率が非常に低いので、この時点で選択肢からは外れる。
QUOカードPayは、聞き馴染みがないサービスだろう。これは、プリペイドカードのQUOカードをコード決済に置き換えたもの。通常のQUOカードは磁気式だが、QUOカードPayは専用のスマホアプリに「バリューコード」を入力することでチャージが可能になる。口座登録やクレジットカードの登録は不要だが、ポイント還元などはない。個人情報を提供したくないなどの事情がない限りは使う価値がないので、こちらも早々に切り捨てた。
さて、残ったサービスはPayPay、LINE Pay、楽天ペイ、Origami Pay、の4社のサービスだ。まずは、「ペイ」の火付け役であるPayPayを見ていこう。
結論からいえば、工夫次第ではPayPayがローソンではお得になる。PayPayの還元率は3%なのだが、Yahoo! JAPANカードを利用してチャージすると1%のTポイントが付与されるので、しめて4%の還元となるのだ。
しかし、これはソフトバンクユーザーでなおかつYahoo! JAPANカードを持っていることが条件となり、少々ハードルが高い。口座登録でもPayPayにチャージすることは可能だが、Yahoo! JAPAN IDとの連携が必要とのこと。さまざな手間を考えると、わざわざPayPayを利用する必然性を感じられなかった。
続いてLINE Payだが、7月31日までは還元率3%キャンペーン、それに加えてマイカラーの還元率が上乗せされていた。現在はキャンペーンが終了しており0.5%の還元率にとどまっているため、LINE Payも選択肢から除外した。
楽天ペイはコード決済の還元率が0.5%。楽天カードを紐づけておけば、カード利用において1%の還元率が加算される。楽天カードを持っていても還元率1.5%というのは物足りないので、何か別のキャンペーンを待っておいたたほうがよさそうだ。
そこで残ったのが、Origami Payである。コンビニ3社では、ローソンのみ対応しているサービスだ。Origamiは口座登録で、その場で支払いが3%OFF、カード登録で2%OFFと、ポイント付与ではなく価格からそのまま値引きされるのが特徴だ。
「これでOrigamiの圧勝だ」と思ったのもつかの間、Origamiは一部の銀行に対応しておらず、口座登録ができないことがある。その場合、クレジットカード登録を選択するしかないが、これでも2%OFFになる。よって、還元率(値引率)、手軽さを鑑みると、Origami Payがローソンではもっともお得という結論に至った。
さっそく、ローソンに行き昼食を買いに出た。合計で788円の会計をOrigami Payで支払うと、アプリ内で773円の支払いが完了した旨が通知され、しっかり、2%ぶん15円の値引きがされていた。
ちなみに、Origami Payの値引きキャンペーンは9月いっぱいまで開催中。チェリーピッカーと呼ばれても気にせず、ローソンに立ち寄る際にはOrigami Payを試してみてはいかがだろうか。
(取材・文=清談社)