カジノを含む統合型リゾート(IR)事業参入を計画していた中国企業による外為法違反事件をめぐり、東京地検特捜部の捜査対象となっている自民党の秋元司衆院議員(48=東京15区)の包囲網が狭まっている。
秋元氏に持ち上がっているのは、IR事業をめぐる贈収賄疑惑だ。参入を目指していた中国企業日本法人の元幹部が海外から現金数百万円以上を税関に申告せずに持ち込んだ外為法違反事件に絡み、この現金が秋元氏側に渡った疑いが持たれている。特捜部は関係先として秋元氏の衆院第1議員会館の事務所や地元事務所を家宅捜索。秋元氏本人からも任意で事情聴取した。
日本初のIRでひと儲けを狙った中国企業がなぜ秋元氏に近づいたのか。秋元氏は2010年に発足した超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連)に参加。基本法の「IR整備推進法案」が16年12月に衆院内閣委員会で可決された際の内閣委員長を務め、17年8月~18年10月にかけてIR担当の内閣府副大臣と国交副大臣を兼任していたものの、業者選定などのカギになるIR実施法の成立は18年7月。これからという時に蚊帳の外に置かれた上、IR事業者は1社限定とされたため、カジノ運営のノウハウを持たない中国企業は撤退を余儀なくされたという。
元特捜検事の若狭勝弁護士はこう言う。
「政治家に金銭などを提供し、便宜を求めた企業側のもくろみ通りにコトが運ばず、それを恨みに思って特捜部に駆け込んで情報提供するケースは珍しくありません。司法取引が成立すれば、企業側が無傷でいられることができる」
■周辺は「年内無事に過ごせれば」の楽観論
沖縄と北海道での事業に意欲を持っていた中国企業は那覇市で開催したシンポジウムに秋元氏を招いて距離を縮め、投資表明していた北海道・留寿都村を共に訪問して村幹部と会食したり、国交副大臣の執務室でも面会していた。
「秋元先生は『ダンス文化推進議員連盟』に所属し、クラブなどの深夜営業緩和にも熱心。周辺にはカジノに何らかの形で噛みたい関係者がチラホラいますから関心があったんでしょうが、先生はとにかく脇が甘い。“疑惑のデパート”といわれているように、周囲では危なっかしい話が少なくない。本人がそれをどれほど理解しているのかも怪しい。特捜部が元秘書らの自宅に家宅捜索に入っても、どんな嫌疑か見当がつかなかったようです」(地元関係者)
秋元氏の10年来の知人は、内閣府の企業主導型保育事業を悪用し、国の助成金約2億円を詐取した容疑で逮捕。当時の秋元氏は保育事業を所管する内閣府副大臣だった。週刊誌報道では昨年8月、秋元氏がヤミ金業者の依頼で東レ社長に借金返済を2度にわたり電話で督促。貸付業者から接待を受けた可能性もあり、弁護士法違反の疑いもある。
「先生は、さすがに暗い顔をしていますが、年内を無事に過ごせれば乗り切れるんじゃないか、という楽観論も聞こえてきます」(地元関係者)
年内逮捕はあるのか。