岐阜中3自殺、いじめ主因=「学校機能せず」―第三者委

岐阜市で7月、市立中学3年の男子生徒=当時(14)=が自殺した問題を調査していた第三者委員会は23日、「多くのいじめが日を追うごとに激しくなり、自死の主要因となった」とする報告書を市教育委員会に答申した。学校側の対応を「教員間の連携が不足し、組織として機能していなかった」と問題視した。
報告書によると、男子生徒は1年時から、クラスや部活動などの延べ十数人の同級生らから、平手打ちなどの暴行や現金要求などのいじめを受けていた。亡くなる前日には、トイレの和式大便器に頭を突っ込む形で土下座させられ、その後「トイレに頭を突っ込んだ」と教室で言い触らされた。
5月31日には、いじめを告発するメモを同じクラスの女子生徒が担任教諭に提出。担任は名前を挙げられた生徒らにメモを見せながら指導した後、シュレッダーでメモを廃棄したとされたが、紛失の経緯は確認できなかった。
報告書は34件のいじめを認定したが、大半は生徒による目撃で、教員の目撃情報はなかった。6月17日のアンケートでも別の同級生が男子生徒へのいじめを訴えたが、担任が原文を簡略化して報告していたと指摘し、「学校の対応の不十分さにより、いじめの激化を止められなかった」と判断。教員の多忙解消などの再発防止策を求めた。
記者会見した岐阜市の早川三根夫教育長は「いじめ対応のガイドラインがあったが、魂がこもっていなかった」と話した。