千葉ロリコン教師に懲役14年判決「『味の検査』と称して目隠しをして…」約5年半、2つの小学校で女児7人が被害

千葉県千葉市で約5年半にもわたって明るみに出なかった小学生7人が被害に遭った、小学校教諭によるわいせつ事件。強制性交罪、児童ポルノ禁止法違反罪などで起訴された元教員・X被告(36)に対する裁判が12月23日、千葉地裁で開かれ、懲役14年(求刑15年)の実刑判決が言い渡された。

さらに、そのうち5人ついては、わいせつな行為をカメラで撮影し、児童ポルノ禁止法違反罪にも問われた。18年7月、被害児童の1人が学校で被害に遭い、その日のうちに母親に被害を訴え、犯行が発覚。千葉県警がX被告の自宅から押収した外付けハードディスクなどから他にも複数の被害者がいることがわかった。
裁判は、昨年10月に始まり、約1年間にわたり審理が行われ、X被告の犯行の詳細が次々に明らかになっていった。今年10月31日にあった前回の公判では、被害者の1人が出廷し、「一生、刑務所の中で暮らしてください」と述べていた。
判決文はX被告の犯行をこう総括した。
「6歳から12歳の被害児童らに対して、教諭である被告人への畏怖あるいは信頼を利用した」
忘れ物を繰り返した児童を「指導」を名目に呼び出したり、「味の検査」と称して目隠しをしてわいせつな行為をしたりした。また、「傷の状態を確認する」といって、衣服を脱がせたこともあった。その上で「性欲のおもむくまま、児童の陰部を手指で触ったり、口淫したりするなどの極めて強度なわいせつな行為を行い、卑劣かつ醜悪極まりない」と述べた。X被告が撮影した動画についても「流出した可能性もあり、悪質で軽視できない」とした。
また「就業中、堂々と、しかも担任という絶対的立場を悪用し、長期間にわたって反復して犯行を行った。その大胆さと常習性は目に余る」とも糾弾した。

裁判では、X被告はおおむね犯行を認めていたが、1人の被害者に対して行った犯行については、証拠となる映像が不鮮明な部分や、映像がない部分については否認した。被害者本人が出廷して、犯行について証言し、食い違う場面もあった。判決では、被害者の証言が全面的に信用できると判断。その上で、「被告人は、客観的に裏付けられている犯行のみを認め、その余は責任を回避しようとする姿勢が見られる」と指摘した。
言い渡しの間、X被告は席で手を膝に置き、判決を読み上げる裁判長をじっと見ながら聞いていた。判決の宣告が終わると、裁判長が「閉廷します」と述べた。X被告は被告人席に座ったまま、被害者の関係者に向かって一礼。刑務官に連れられ、法廷を後にした。
(村田 珠里/週刊文春デジタル)