厚生労働省の労働政策審議会部会は23日、副業・兼業で仕事を掛け持ちしている人の労災認定について、全労働時間の合計から算出した残業時間を基に判断することで合意した。新制度の導入で、従来より過労死認定などがされやすくなる。厚労省は来年の通常国会に労災保険法などの改正案を提出し、来年度中の施行を目指す。
現行制度では、個々の職場で労働時間が法定時間内に収まっていても、全体では認定基準を超えるケースがあった。今後は、本業と副業を合わせた総労働時間が「過労死ライン」(発症前1カ月の残業時間が100時間超)に達していれば、脳・心臓疾患の労災認定基準を満たすことになる。過労自殺を招く精神疾患の労災認定も、労働時間や心的負荷を複数の勤務先の状況から総合的に判断する。
また、労災保険についても、労災が起きた勤務先の賃金のみをベースに決めていた給付額を、本業と副業の合算で決める方法に改める。労働者にとっては増額につながる。【矢澤秀範】