楽しもう!アジアの文化 子供たちが国境超え踊り演じ歌う 神戸オリニマダン

神戸市内の在日コリアンや日本人の子どもたちが朝鮮半島の伝統文化に親しむ「第22回神戸オリニマダン」が12月、神戸市長田区大谷町1の市立蓮池小学校で開かれた。市内の小学生や家族連れなど約600人が草の根の交流をした。
「オリニ」は子ども、「マダン」は広場の意味。「神戸在日コリアン保護者の会」が1998年から毎年開催している。午前の部では、同会主催の教室「オリニソダン」で学ぶ22人の在日コリアンの子どもらが、朝鮮半島の伝統打楽器を演奏する「プンムルノリ」や伝統舞踊などを披露。
「オリニソダン」に通う孫2人の演奏を見守った宋春子(ソンチュンジャ)さん(72)は「私が小さい頃はこういう機会は無かったが、孫が音楽や文化に親しんでいるのを見るのはうれしい」と喜んだ。孫の寺田愛華さん=市立だいち小6年=は扇を使った舞踊「プチェチュム」などを披露し、「緊張したけど、見ている人が拍手してくれて楽しかった」と話した。
特別公演では、韓国・大邱(テグ)市のプロ劇団「夢見るシアター」が伝統打楽器を演奏。友情出演した市立真陽小の「ホアマイ教室」で学ぶベトナム系の子どもたち18人は、童話「大きなカブ」をベトナム語で披露したあと、獅子舞に似た演舞「ムア・ラン」を踊り、盛り上げた。
午後の部では、在日コリアンや日本、ベトナム、中国系などの子どもたちが、朝鮮半島の民族衣装やテコンドー、料理などを一緒に体験した。蓮池小の前田風翔くん(3年)は「テコンドーはとても楽しくて、習ってみたいと思った」とミット蹴りに熱中した。
蓮池小の上村政明校長(60)は「自国の文化を継承していくことはとても大事なので、今後も続けていけるようともにがんばりたい」と話した。保護者の会・会長の金香淑(キムヒャンスク)さん(40)は「在日コリアンの子たちには自分のルーツを隠さず生きていってほしいし、日本や他の国にルーツのある子たちには朝鮮半島の文化に少しでも興味をもってくれたらうれしい」と話した。【韓光勲】