豊洲市場(東京・江東区)で5日朝に行われた「初競り」で、すしチェーン「すしざんまい」を運営する「喜代村」が落札した1億9320万円の青森県・大間産本マグロが同日昼に解体され、来店客に提供された。
マグロの解体は「すしざんまい」築地本店でスタート。276キロの大物を、木村清社長(67)や来店客の「よいしょ!」のかけ声とともに、約15分ほどかけて解体した。木村社長が「本来なら、大トロ1貫6万円くらいのところを、398円です!」と呼びかけると、店内は「おおおお!」と大きな歓声に包まれた。
解体後、店内では1人1貫限定で、大トロ1個398円、中トロ298円、赤身は198円(全て税抜き価格)で提供された。朝6時から築地入りし、一番乗りで大トロを口にした東京都の増井孝充さん(52)は「美味しい! 昨年も平成最後のマグロをここで食べましたが、令和最初の(初セリ)マグロ最高です!」と満面の笑みで、1・9億円マグロに舌鼓を打った。
木村社長は「今年のマグロは、ビリビリとしびれるようなうまさ! 去年よりもさらにおいしさですよ」。今年のマグロは、昨年の初セリで史上最高額の3億3360万円で落札したものを上回る味だという。
より多くの人に食べてもらうため、1人1貫厳守。「みんなが美味しいものを食べて幸せになって、平和で明るい1年になれば」と笑顔で話した。
店の外には、縁起のいい初セリまぐろを求め、200人近い人が行列。約3時間待ちの大盛況となった。同社によると、このマグロから約1万~1万2000貫分がとれ、「すしざんまい」全53店舗で提供されるという。