特殊詐欺、熊本では「電話で『お金』詐欺」に 新手の手口に各県趣向

熊本県警は1月から特殊詐欺の呼び名を「振り込め詐欺等」から「電話で『お金』詐欺」に改めた。特殊詐欺の呼び名は警視庁の「母さん助けて詐欺」(2013年)など全国の警察が工夫を凝らしてきたが、次々に新手の詐欺が登場し「イタチごっこ」が続く。最近の特殊詐欺は必ずしも振り込ませてだまし取る手口ではなく、県警はシンプルに「電話でお金の話が出たら全て詐欺」と呼びかけることにした。
警察白書によると、特殊詐欺による全国の被害は14年の約566億円をピークに年々減少しているものの、18年も約364億円に上った。熊本県内でも14年の6億4055万円から4年連続で減少していたが、19年は11月末で1億2773万円と、18年(1億1566万円)を既に超え5年ぶりに増加した。
熊本県警は、18年のサッカー・ワールドカップ(W杯)期間中に日本代表の大迫勇也選手の代名詞「半端ない」にちなんだ「おもいやり運転ハンパないって!」、19年のラグビーW杯日本大会中は「やさしさのパスを繋(つな)ぐワンチーム」といった、趣向を凝らした標語を道路の交通情報板で流し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで話題になった。「特殊詐欺ももっと心に響く呼び名にしよう」と、全国の多くの警察が使う「振り込め詐欺」に代わる呼び名を考えてきた。
県警によると、近年増えているのが警察官をかたって「詐欺グループを捕まえた。あなたのキャッシュカードが悪用された恐れがある」などと電話する手口。そのうえで被害者宅を訪ねて暗証番号などを聞き出し「調べるので預かる」と偽り、カードをだまし取るという。【清水晃平】
これまでに使われてきた主な呼び名
山形県警 ほだな話嘘(うそ)だべ詐欺
平成つけこみ詐欺
まさか私が詐欺
警視庁 母さん助けて詐欺
親心利用詐欺
富山県警 もうかるちゃ(もうかりますよ)詐欺
たのんちゃ(頼みますよ)詐欺
三重県警 人情つけ込み詐欺
岡山県警 いけん!送るな渡すな詐欺
山口県警 買え買え詐欺
福岡県警 ニセ電話詐欺
熊本県警 特殊詐欺
振り込め詐欺等
鹿児島県警 うそ電話詐欺