熊本県の阿蘇山では、昨年10月7日以来、3カ月にわたって噴火が続いており、火山性微動が一時的に大きくなるなどの変動を繰り返している。気象庁は「火山活動が高まった状態が続いている」として、中岳第一火口から約1キロ範囲では、噴石の飛散や火砕流に警戒するよう呼びかけている。
阿蘇山の中岳第一火口では、5日にも噴煙の高さが火口上空1000メートルに達し、ふもとの阿蘇市や高森町、南阿蘇村などで火山灰がやや多く降った。
GPS衛星を使った地殻変動の観測では、地下深くにマグマだまりがあると考えられている草千里を中心に山体が膨らむ傾向が続いていて、マグマや水蒸気の動きを示す火山性微動の振幅も、やや大きな状態が続いている。
気象庁が昨年12月31日に行った現地調査では、1日あたりの火山ガス放出量は7400トンと非常に多い状態だったが、元日には2800トンになり、変動を繰り返している。
気象庁は、依然として火山活動が高まった状態が続いているとして、噴火警戒レベル「2」を発表し、火口周辺への立ち入りを禁止している。