「ウーバーイーツ」労組 初の事故実態調査 補償の妥当性など分析へ

料理配達サービス「ウーバーイーツ」の配達員でつくる労働組合は7日、配達員の事故についての実態調査を始めた。労組「ウーバーイーツユニオン」のホームページ(https://www.ubereatsunion.org/)でアンケートを募り、NPO法人「東京労働安全衛生センター」が協力、事故の実態や現行の補償制度の妥当性などを分析する。3月まで受け付け、5月にも調査結果を公表する。運営側に情報開示や補償の拡充を求めるほか、インターネットで仕事を請け負う「プラットフォームワーカー」の補償制度のあり方を社会全体で考えるきっかけにしたい考えだ。【山口朋辰/統合デジタル取材センター】
労組には、配達中のけがの補償が十分でなかったり、運営側が提示する条件を満たすと支払われるインセンティブなどを得るため、厳しい労働条件を強いられたりしているとの声が寄せられているという。運営側は、事故件数を明らかにしていないことから、労組は独自で調査することを決めた。
アンケートは、事故時の状況や治療費の総額、事故報告時の運営側の対応など17項目。匿名による申告、本人が回答できない場合は関係者の申告も受け付ける。労組委員長の前葉富雄さん(29)は「事故の実態に迫り、多くの配達員にも常にけがのリスクを負っていること伝えたい」と話した。
運営側は、配達員のけがに対し、2019年10月、配達員の負担なしで上限25万円の医療見舞金や1000万円の死亡見舞金を支払う仕組みを導入した。ただ、配達依頼を受ける前や配達後は補償の対象外となっており、東京労働安全衛生センターの天野理さんは、「配達中の定義が狭い」と指摘する。
労組は運営側に団体交渉を申し入れているが、運営側は「(配達)パートナーは個人事業主で日本の労働組合法上の『労働者』に該当しない」などとし、団体交渉に応じていない。