金沢城の二の丸御殿、再建当時の新史料 知事「復元へ大前進」

石川県の谷本正憲知事は6日の記者会見で、復元を検討している金沢城二の丸御殿について、内外装の仕様などを詳細に記した再建当時の史料が新たに確認されたと明らかにし、「夢の実現に向けて大きく前進した」と述べた。年度内にも専門家らでつくる「金沢城二の丸御殿調査検討委員会」を開き、復元可能性を認める最終報告がまとまれば来年度は一部区域の整備に向けた基本方針の策定に着手したいとの意欲を示した。【阿部弘賢】
見つかったのは、大火で焼失した二の丸御殿が再建された翌1811年に作成された「二之御丸御殿御造営内装等覚及び見本・絵形」(4冊組)で、前田家が金沢市に寄贈した「加越能文庫」に保管されていた。前田家の大工棟梁(とうりょう)が二の丸御殿の内外装について文章や実物見本、図面でまとめたもので、部屋や場所ごとに材料や仕様、仕上げ方法について説明していた。また165種類ある飾金具についても、彩色絵図を使って詳細に書かれていた。
谷本知事は、建物の変更が少なく外観の立面図などが残る、政務の中心だった「表向(おもてむき)」の一部を優先して復元することなどが考えられると指摘。整備期間は財政的にも10~20年単位の長期になるとし、「私が復元に向けてスタートを切り、後の知事がしっかり完成を見届ければ本物志向の金沢城が復元される」と述べた。
金沢城の整備では現在、加賀藩主の側室や子供たちが暮らした「金谷御殿」(現・尾山神社)と金沢城を結んでいた鼠多門(ねずみたもん)と鼠多門橋も県が復元を進めている。今夏の完成予定で、総工費約20億円が見込まれている。