相模原殺傷事件で長男が重傷を負った尾野剛志さん(76)は植松聖被告の初公判後、横浜市内で記者会見し、「彼のしたことは許されることではない。最高の量刑を望む」と厳刑を求めた。
剛志さんは被害者参加制度を利用して初公判を見守った。公判では同被告が暴れるなどしたため一時休廷する事態となったが、剛志さんは「心神耗弱を装うためのパフォーマンスだ」と断じ、「ますます印象が悪くなると思うのになぜやったのか理解できない」と疑問を呈した。
植松被告の障害者に対する差別的な言動については「どんなに重たい障害があっても生きていく権利がある」と訴えた。
長男の一矢さん(46)は被害者の中で唯一実名で審理される。剛志さんは「名前が出ることで、近所などから嫌みを言われる人もいる。障害を持っていることを隠さなくてもよい世の中をつくりたい」と語った。
植松被告については「弱い者を平気で食い殺す獣だ」と憤る一方、「昔の優しい顔を思い出し、葛藤している」と苦い表情。今後の裁判には「朗らかで優しそうな好青年だった彼がいつどのようにして変化していったのか注目したい」と述べた。
初公判に合わせ、手記と事件の犠牲になった娘の美帆さん=当時(19)=の名前を公表した母親は「とても裁判に臨む態度ではなく残念。この先の裁判がどうなるのか心配」とするコメントを発表した。
[時事通信社]