「おわびします」直後に自傷試みる=不在で公判再開―植松被告

「皆さまにおわびします」。
横浜地裁で開かれた相模原殺傷事件の初公判で、植松聖被告(29)は起訴内容を認め、謝罪の言葉も口にした。ところが、直後に自傷行為を試み、裁判は15分ほどで一時休廷。午後再開されたが被告の姿はなく、波乱含みの展開となった。
予定の午前11時から約25分遅れて開廷した法廷に現れた植松被告は、上下黒のスーツに濃紺のネクタイ姿。緊張気味の青白い顔で、検察側、傍聴席、弁護側に向かって計7~8回頭を下げた。弁護人の隣に着席した後は、裁判長の方を見つめ続け、時折、「ふーっ」と息を吐くようなしぐさもあった。
腰近くまで伸びた髪は、一つに束ねられ、一部の毛先だけわずかに明るい。逮捕時よりも顎周りはふっくらとしていた。
証言台に立ち、裁判長から氏名や職業などを尋ねられると「植松聖です」「無職です」と早口で答えた。検察官が起訴状を朗読した後、裁判長から内容に違っているところがないか問われた際も、早口で「ありません」とだけ答えた。
植松被告が周囲の刑務官に話しかけるのを見た弁護人は、再度被告に発言の機会を与えるよう要望。裁判長が許可すると、被告は直立のまま「皆さまに深くおわびいたします」と語った直後、前かがみになり、口の中に両手の指を入れるようなしぐさをした。右手の小指をかみ切るような動作をしたといい、4人の刑務官がすぐに取り押さえようとしたが暴れ、床に転がり1分以上抵抗を続けた。
審理は午後1時20分すぎに再開。裁判長が「刑事訴訟法に基づき、被告人が在廷しないまま審理を再開する」と説明し、被告不在で検察側と弁護側による冒頭陳述が淡々と行われた。被告は閉廷まで姿を現すことはなかった。